マクベスいろいろ
2025-04-29


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「マクベス」は好きなので、これまで何度か観てきた。翻案で一番好きなのは劇団〓〓新感線初演の「メタル・マクベス」だ。ストレートな堤真一マクベスは長塚圭史演出で面白かった。舞台を観客が囲む設えで、役者の見え方が普段と違う。中嶋しゅうの佇まいが妙に印象に残っている。彼が亡くなってしまったの、とても残念に思っている。
 マクベスの呪われた弱点が暴かれる場面が好きな私は、当然だがそこに向かって、後に引けなくなった野心と予言を信じ己の正当化に足掻くマクベスと、マクベス夫人の苦悩などを観ている。
 先日観たのは串田和美の創出するまた別の「マクベス」だった。好物の最終場面ははっきりと描かれず、その暫く後を見せられているのかと判断に迷う場面に続く。
 私の中では、魔女は魔女であって、神の存在などあらばこそ、暗い淵から転げ落ちそうになりながら、わずかに残る良心とのせめぎ合いをしながらの人殺しが、悩み苦しむ姿でないといかんと、ガチガチに固まっている。それ故か、このマクベスは未消化だ。なんだこのゆるふわ感はと。何かに幻惑されているようだ
 こんなマクベスは初めてだという点で、面白かった。

 ラストの展開は「泣くロミオと怒るジュリエット」を思い起こさせる。再演をまた観に行く予定。
[舞台]

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