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井上ひさしの「ひと・ヒト・人」というエッセイに「百年の日本人『夏目漱石』」の章があり、「坊つちゃん」がどんな物語であるかを「初めて」知った。
読んでみたいという気が起こらずこの老境まで来たが、教師でいる主人公がなんとなく存在を続けて終わるような話だと、今まで思っていたのだ。面白いあだ名のついた人間をやっつけてスカッとするような事件と、美しい人が出てくるところばかりを話で聞くせいだ。
ところが豈図らんや、流石夏目漱石だものということだった。
井上ひさしは優しい言葉と、比類ない知識の僅かを使って日本の明治文学の時代背景から現代を分析して、新たな興味を持たせてくれた。チョムスキーを読むまでもなく。また、解剖学は無視できないから関する本を買った。
実は非常に怖い小説であることを知った今、読まずにおこうか。
いや、ほんとに怖いんだろうか。
でもまあ恥ずかしいことだよ。
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